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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん 事故後何年後に増加

 チェルノブイリで甲状腺がんが上昇したということですが、事故後どのくらいから、どのような人たちに増加したのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大原爆後障害医療研究所教授 高村昇さん

■発症に差、科学的検討必要

 福島における放射線被ばくと甲状腺がんとの関連を考えるとき、チェルノブイリとの比較等を通じた、因果関係の検証が極めて重要です。
 チェルノブイリ事故の影響を受けたベラルーシ共和国は、事故前から国全体でがん登録(がんと診断された症例を国家レベルで登録するシステム)が存在していました。このベラルーシ共和国のがん登録を調べたところ、事故が発生した1986年から1989年の4年間で、事故当時0歳から15歳だった世代で甲状腺がんと診断されたのは25例でした。
 その後、同じく事故当時0歳から15歳だった世代で甲状腺がんと診断されたのは1990年から1994年(事故後5年から9年)では431例、1995年から1999年(事故後10年から14年)で766例、2000年から2003年(事故後15年から18年)では808例と増加が見られています。
 特に、甲状腺がんの増加は事故当時0歳から5歳であった世代で1990年(事故後5年)から顕著に増加しており、この年齢群が放射線被ばくによる影響が多かったことが分かります。しかもこの傾向は事故後4年から10年後に顕著であり、事故当時の年齢が高い群に甲状腺がん・がん疑いと診断された症例が多く見られている福島とは、その状況が大きく異なることが分かります。
 今後も引き続き、福島県の将来を担う世代の健康を見守ることが大切ですが、チェルノブイリとの発症年齢の比較などを行うことで、因果関係について科学的に検討することが極めて重要であると考えられます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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