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原子力災害時の避難患者 県、茨城 相互受け入れ

 原子力災害時の「災害弱者」(要配慮者)の広域避難受け入れで、県は今年度内にも茨城県と相互協力関係をつくる。東京電力福島第一、第二原発周辺の病院や福祉施設のうち、県はいわき市内の入院患者・入所者の避難先を茨城県内に、茨城県は日本原子力発電東海第二原発(東海村)の北部3市の入院患者の避難先を本県内にそれぞれ確保する方向で調整している。今後、両県は避難者を受け入れる施設の選定作業などを進め、情報共有を図る。

 県は原子力災害広域避難計画に基づき、福島第一原発事故で避難指示が出るなどした13市町村(双葉郡8町村、いわき、田村、南相馬、川俣、飯舘)の病院や特別養護老人ホーム(特養)、認知症・障害者用グループホームなど227施設を対象に、患者や入所者の避難先となる病院・施設の確保を進めている。病床数などから対象者を最大約1万1600人と試算した。このうちいわき市分は約8400人と約7割を占める。
 県は13市町村以外の病院や施設に受け入れ可能な人数を照会し、中通りや会津で約5000人を収容できる見通しとなった。いわき市については地理的条件や人数などを考慮して茨城への避難を想定し、残り12市町村は福島第一、第二原発との距離や位置関係から県内での受け入れ先を確保する方針だ。
 一方、東海第二原発を抱える茨城県も同様の作業を進め、本県に対し高萩、日立、常陸太田の県北部3市の医療機関の入院患者の受け入れを求めている。茨城県は3市からの避難者を最大3500人程度と見込んでいる。
 福島第一原発事故では、避難する患者や高齢者、障害者の受け入れ先確保で時間を要し、搬送途中に死者が出る事態となった。こうした教訓を踏まえ、両県の計画は「病院の患者は病院へ、特養の入所者は特養へ」と同種施設への避難を目指している。実際に避難先を割り振る局面では、患者の病状や容体、医療機器など患者・入所者のニーズ、受け入れる側の規模などを考慮した上での調整が課題となる。
 県保健福祉総務課は「要配慮者の安全な避難を実現する上で茨城県との連携は欠かせない。丁寧に協議を重ね効果的な協力関係を築きたい」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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