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生活環境整備進む 葛尾村避難指示解除2年

村復興への決意を語る篠木村長

 東京電力福島第一原発事故に伴う葛尾村の帰還困難区域を除いた避難指示が解除され、12日で丸2年となった。今月1日現在、全人口1430人のうち、村内に313人が居住している(居住率21.8%)。今年に入って幼稚園、小中学校の再開や県外から誘致した企業の操業開始などが実現した。生活環境整備や地域経済再生に向けた歩みが着実に進む一方、営農再開をいかに後押ししていくかが課題だ。
 村内居住者の内訳を見ると、帰村者が242人、避難指示解除以降の転入者が71人となっている。村は村外からの移住者を増やそうと、一定期間家賃を払って居住した人に住宅を譲渡する「定住促進住宅」を整備した。現在は空きがないなど好評で、移住定住者向けのさらなる住環境整備を検討している。
 原発事故後初めて村に進出したニット製品製造・販売「金泉(きんせん)ニット(本社・愛知県岡崎市)」福島工場が9日に開所した。同社は国内に加え欧米にも販路がある。30人以上の地元雇用を見込んでおり、地域経済発展の起爆剤としての期待が高まっている。金岡秀一社長(71)は「葛尾には豊かな自然と人情に厚い村民性という資源がある。村の発展を後押ししていきたい」と語る。
 16日には村が復興拠点として役場近くに整備した村復興交流館がオープンする。村内外の人々の交流、情報発信、各種イベントの開催、放射線検査という4つの役割を担う。村民同士や来村者との絆を強め、交流人口拡大を目指す。
 一方で、避難の影響により農業の担い手が少ない状況が続いている。震災前、水稲栽培の農家数は270戸、作付面積は130ヘクタールだった。今月1日現在では16戸、作付面積は14ヘクタールにとどまっている。
 畜産業は震災前、繁殖農家95戸(314頭)、肥育農家9戸(3300頭)、酪農2戸(170頭)だった。6月1日現在で肥育1戸(33頭)、繁殖9戸(約80頭)となっている。

■篠木村長に聞く 気持ち和らぐ子どもの声
 篠木弘村長は福島民報社のインタビューに応じ、村復興に向けた決意などを語った。
 -避難指示解除準備、居住制限の両区域の指定が解除されて2年が経過した。
 「村に活気が戻っている。学校再開の効果は大きい。子どもの声や姿を見聞きすると気持ちが和らぐ」
 -復興への課題は。
 「一番は営農再開が進んでいないことだ。優良農地が原発事故の除染土などの仮置き場となっている。担い手がしっかりと立ち上がれるよう支援策を講じる」
 -今後、力を入れることは。
 「農業から離れた高齢者らの健康維持・増進、移住定住促進に向けた住宅の整備に取り組む。地域経済の活性化や雇用確保を目指し、産業団地の整備を推し進める」

カテゴリー:福島第一原発事故

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