自宅で覚醒剤を所持したとして、覚醒剤取締法違反の罪に問われたトラック運転手の男性被告(43)の控訴審判決で、名古屋高裁(山田耕司裁判長)は24日までに、懲役2年6月とした一審名古屋地裁判決は「重大な事実の誤認がある」として破棄し、無罪を言い渡した。23日付。
判決によると、2023年10月、男性の当時の妻が「(男性の)リュックサックのポケットから覚醒剤を発見した」と通報。警察官が自宅やリュックを捜索しても見つからなかったが、男性を任意同行した後、妻がリュックのポケットから見つけたという覚醒剤を提出した。男性は、覚醒剤約0・212グラムを所持したとして起訴された。
一審判決は妻の証言の信用性を認めたが、山田裁判長は「ポケットに覚醒剤が入っていた場合、警察官が発見できなかったのは不自然だ」と指摘。「妻が警察官に相談して覚醒剤を提出した経緯は通常では考えにくく、捜索後に妻が入れたとしか考えられない」と判断した。