障害者が安心して働ける職場づくりを目指し、東邦銀行の創立七十周年記念事業の一環で設立された。社員の約七割が何らかの障害を抱えている。社名は行員から公募した。「笑顔があふれる会社になるように」という思いが込められている。
東邦銀行の事業支援が主な業務だ。手形・小切手帳やキャッシュカード、名刺の作製をはじめ、書類印刷、各支店で受け付けた振り込み依頼伝票をデータ入力する作業などに当たっている。一人一人の障害に合わせて仕事ができるよう、社員同士が頻繁に話し合う。二〇一八(平成三十)十月にはリーダー制度を新たに設け、障害者二人を任命した。
社内で手話講座を週一回開催するなど、社員同士の意思疎通を円滑にするための努力を重ねている。障害者の社員数を親会社の障害者雇用率に加算できるようになる「特例子会社」として、東北地方の地銀で初めて認定された。東邦銀行の障害者雇用率は法定の2・2%を上回る2・41%(二〇一九年十月一日現在)となっている。
佐藤卓夫社長(58)は「障害を抱える社員は成長の伸びしろが大きい。働く喜びを感じられるよう、新しい挑戦を後押していく」と誓いを新たにしている。
■メモ
▽設立=2012(平成24)年3月
▽社長=佐藤卓夫
▽従業員=26人
▽住所=福島市飯坂町平野字桜田3の4
▽電話番号=024(541)2412