白河市のNPO法人「住みよい五箇をつくる会」は、一九五六(昭和三十一)年から市内五箇地区に伝わる、福島市出身の作曲家古関裕而さん編曲の「五箇音頭」の音源をリニューアルする。NHK連続テレビ小説「エール」の放送をきっかけに、機運が盛り上がった。二十四日、地域住民が市内の五箇行政センターで制作途中の音源を使い、音頭を踊るプロモーション動画を撮影した。年内に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、同地区を全国にPRする。
音頭は旧五箇村(現白河市)元村長で川柳界の重鎮大谷五花村さんが作詞、息子の自営業大谷恭一さんが作曲し、古関さんが編曲を手掛けた。市内の五箇小が音源テープと歌詞を代々保管し、毎年運動会で踊り継いでいる。テープは音が不明瞭で歌詞も聴き取れないため、後世に残そうとメロディーを変えずに作り直すことを決めた。
神奈川県の映像制作会社スマイルピクチャーズが原盤レコードを基に曲を作り直し、白河市の歌手藤沢しげみさんが歌を吹き込んだ。今後、市内の五箇中の全校生徒も歌を入れ、十一月末ごろ完成する。
動画撮影には、地域住民ら十三人が浴衣姿で参加した。つくる会の斎藤隆司理事(61)は「音頭を通じ、多くの人に五箇の魅力を伝えたい」と話している。