福島市は来年三月、古関裕而記念館を全館リニューアルする。市は改修に伴う費用や維持費の増加が見込まれるため、現在は無料の入館料を有料化する方向で検討に入った。市議会十二月定例会に関連条例の改正案を提出する方針。市が十二日、市民会館で開いた市行政改革推進委員会で示した。
大規模な展示替えは一九八八(昭和六十三)年の開館以来初めて。最新の映像・音響設備を整備するほか、物販スペースの拡充、オンライン予約システム・キャッシュレス決済の導入などに踏み切る方針。開館時間を三十分延長し、閉館を現在の午後四時半から同五時にする。
展示企画としては立体音響の中で古関メロディーを楽しめる音楽体験空間「古関サウンド・トリップ」を設ける予定。放送、映画、スポーツ、劇場、校歌・社歌などのジャンルごとの分類展示も計画している。
入館料は一般が三百円を想定している。運営費の約30%相当分を来館者に負担してもらうことを目安として他自治体の事例や、無料化前の料金などを勘案して設定した。
来年一月に工事に着手し、三月中のリニューアルオープンを目指している。開館までは休館とし、ふくしん夢の音楽堂(市音楽堂)に臨時で一部展示スペースを設ける方向で準備を進めている。
記念館は六日、NHK連続テレビ小説「エール」の放送を追い風に、開館から来館者七十万人を達成した。