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感染防止大人の自覚 オンラインやドライブスルー コロナ禍の成人式

2021.01.11 11:45
ドライブスルー方式で成人証書を受け取る荒明さん=郡山市役所

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、県内十九市町村が成人式を行った十日、新成人は、感染防止で例年とは異なる形式に戸惑いを見せながらも、大人としての自覚を新たにした。オンライン配信のみのケースでは、会場で友人と再会する楽しみは果たせなかったが、「拡大防止に努める責任を果たす」と、じっと我慢。集まって式典を行った自治体の会場では、徹底した感染対策に取り組んだ。

 オンライン配信で式を行った福島市。新成人の福島大二年槌谷香織さん(20)は、振り袖姿で市内の福島稲荷神社を訪れ、祈祷(きとう)を受けた。「式典の会場に行けなかったのは、正直言って残念だけど…」と胸の内を明かした。

 振り袖は既に事前撮影や試着で何度も着てきたが、本来なら式で着ることに重みがあると思う。会場で懐かしい友人と話をできるのをずっと楽しみにしてきた。それでも、新型コロナの感染拡大で大変な思いをしている人が大勢いるのもよく分かっている。「社会の一員として今は我慢しなければならない時」と自分に言い聞かせる。

 この日は、着付け、記念撮影、祈祷と、ずっと両親と一緒に過ごした。「大勢の友人とは会えなかったが、その代わり自分を育ててくれた両親に晴れ姿を見せられ、感謝の気持ちを伝えられた」と前向きに思い直す。

 祈祷終了後、スマートフォンで市長や新成人代表のあいさつなど式の配信動画を見届けた。将来は市職員になる夢を持つ。「生まれ育った福島を支える仕事がしたい」と改めて誓う。

 市内の新成人は二千九百七十六人。動画視聴回数は十日午後八時現在で三千二百回を超え、関心を集めた。

 郡山市は式典をオンライン配信した上で、成人証書や記念品を、感染予防のドライブスルー方式で市職員が直接、新成人に手渡ししてお祝いした。市役所など市内三カ所に設けた引き渡し場所には、車が列を成した。

 このうち市役所に母親の運転する車で訪れた山形大二年荒明桃香さん(20)は、助手席から顔をのぞかせ、市職員の「本日はおめでとうございます」との言葉と共に受け取った。「一生の思い出になるから」と振り袖を着て臨んだ。「周囲の方々への感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい」と笑顔を見せた。