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福島県内のコロナワクチン2回接種8割超 3回目は12月開始方針

2021.11.06 11:07

 福島県内で新型コロナワクチンの2回目接種を済ませた県民は12歳以上の対象者の8割を超えた。県が5日、新型コロナ対策本部員会議で示した。社会全体で感染が広がりにくくなる「集団免疫」には少なくとも8割の接種率が必要とされ、専門家は接種を通じて一定程度効果が現れているとみる。ただ、ワクチン接種による感染予防効果は時間経過とともに低下するとの指摘がある。県は3回目の追加接種を12月に始める方針で、各市町村への配分量を最終調整している。

 県内では3月から接種が始まった。2回目接種は7月に3割、8月に5割となり、11月に入って8割に達した。県は5日の対策会議で県内の4日時点の新型コロナワクチンの接種実績を示した。対象者169万5539人のうち、1回目接種が88・0%に当たる149万1946人、2回目接種が81・0%に当たる137万3345人が完了した。県は年内に希望者への2回目の接種完了を目指している。

 県感染症対策アドバイザーを務める福島医大感染制御学講座の金光敬二教授は5日、福島民報社の取材に応じ「ワクチン接種が進み、県内では一定程度の集団免疫が得られた」との見方を示した。一方、ワクチン接種が先行する各国で接種後感染などにより感染が再拡大している状況を踏まえ「ワクチンの効果はあるのは確かだが、絶対ではない。マスク着用などの基本的な感染対策が欠かせない」と引き続き県民に感染対策を徹底するよう呼び掛けた。

 3回目接種は2回目完了から8カ月経過した人が対象となり、12月に医療従事者から始まる見通し。県内には3回目接種の第1弾として米ファイザー製65箱(7万6050回分)が配分されると決まった。厚生労働省のまとめでは65箱が県内19市町村に割り当てられているが、県は19市町村以外にも回るよう、県内で配分量を調整している。1箱を複数市町村で分け合うなどして円滑な接種につなげる考えだ。

 1回目、2回目の接種では、国が「11月中の完了」を掲げて市町村に接種体制構築を要請したものの、十分なワクチンが国から供給されず、市町村が接種予約の停止に追い込まれるなどした。福島市の担当者は「3回目接種は、必要となる時期や量の見通しが立っているはずだ。国は接種の円滑化に向け、しっかりと配分してもらいたい」と求めた。