福島医大は、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した後の抗体の働きは年齢が上がるほど低下し、同じ年代でも2回目の接種から日数が経過するほど下がっていくとの検査結果をまとめ、11日に発表した。同大の坪倉正治、小橋友理江の両医師らが福島県平田村のひらた中央病院で記者会見を開いて結果を説明し、3回目の接種の必要性を訴えた。
検査対象は同病院を運営する誠励会グループ職員や平田村、相馬市、南相馬市の住民らで、12歳から100歳までの合わせて2526人。血液を採取し、新型コロナ感染を防ぐ能力「中和活性」などの数値を調べた。
対象者の98%はワクチン未接種の人と比べ、中和活性の数値は高かった。一方、残る2%に当たる52人は未接種の人とほぼ変わらない数値で、そのうち35人は80歳以上だった。年齢が上がるほど数値が低下する傾向が見られた。
また、ワクチン2回目接種後から約5カ月までに、中和活性の値が急激に下がることも確認された。接種後150日以上経過した人の中和活性の平均値は、60日未満の人と比べて約3割まで減少した。
同大によると、中和活性の値に男女での差は明らかにならなかったという。坪倉医師は「2回目の接種から間隔の空いている医療従事者や高齢者を優先し、早急な3回目の接種が必要だ」との見解を示した。