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福島県内1月の新型コロナ クラスター最多49件 学校、児童施設が6割

2022.02.02 09:53

 福島県内で相次ぐ新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)を巡り、県は新たに3件を確認したと1日、発表した。いずれも1月31日までに判明した。1月のクラスター発生件数はこの3件を含め49件に上り、月別の過去最多を更新した。学校が18件(36・7%)、児童施設は11件(22・4%)で合わせて全体の約6割を占めた。変異株オミクロン株による流行の第6波は、若年層での感染拡大が顕著となっている。

 県が新たに確認したクラスター3件は、鏡石町の児童施設(教職員1人、児童13人)と須賀川市の県立高校(生徒5人)、福島市の市立小学校(児童4人、教職員1人)。

 これまでの月別最多は第5波の最中にあった昨年8月の46件で、今年1月のクラスター発生状況との比較は【円グラフ】の通り。1月は学校での感染18件で最多で、児童施設が11件で続いた。これに対し、飲食を起因として感染が広がった昨年8月は、学校が1件(2・2%)と最少で、児童施設も5件(10・9%)と少なく、今回の第6波とは異なる。

 県によると、オミクロン株は感染スピードが非常に速く、無症状か軽症者が多い傾向にある。感染症状は一般的な風邪に似ている。このため、親が子どもの感染に気付かずに通学させてしまい、学校や児童施設での感染が拡大するケースが相次いだと分析している。

 事業所でのクラスター発生は全体の3番目に多い9件(18・4%)だった。昨年8月には事業所が最多25件だった。子どもと同様、無自覚なまま感染を広げた事例がある。一方、子どもの濃厚接触者として自宅待機中に陽性が判明する大人も多く、結果として勤務先などでの発生を一定程度抑えられている側面もあると県はみている。

 県が1日に発表した新たな感染者は404人。いずれも31日までに判明した。今年1月の感染者数は計4249人となり、月別最多だった昨年8月の2950人の約1・4倍となった。月別の感染者数の推移は【グラフ】の通りで、年代別でみると10代が775人(17・8%)で最も多く、20代が688人(15・8%)、10歳未満が651人(15・0%)、30代が647人(14・9%)で、30代以下の若年層が全体の約65%を占めた。県は学校や児童施設でのクラスターが若年層への感染拡大につながった一因とみている。

 県新型コロナ対策本部の担当者は今後の感染状況の見通しについて「(感染の)ピークアウトに向かっているとは言えない。2月も同規模かそれ以上の感染になると予想される」と危機感を募らせる。福島市新型コロナウイルス感染症対策委員長を務めている「うめつLS内科クリニック」の梅津啓孝院長(66)は「手洗いやうがいの感染対策は当然ながら、家庭内でも不織布のマスクを着用するなど予防策を徹底してほしい」と注意を喚起している。