福島県は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20日が適用期限のまん延防止等重点措置の延長を政府に要請する方向で調整に入った。13日現在の病床使用率は51・4%となり、感染状況判断で2番目に深刻なレベル3(対策強化)の指標「50%以上」の水準に悪化。感染者の絶対数の増加に伴い入院治療が必要な感染者も日ごとに増えている。県は新規感染者の高止まり傾向が続けば医療現場がさらに逼迫(ひっぱく)するとみて、重点措置継続は避けられないと判断したもようだ。
13日現在の入院者は382人で、感染者の急増に伴い増加傾向が続いている。県内の病床使用率が50%を超えたのは昨年9月4日以来約5カ月ぶりで、今回のオミクロン株に由来した感染流行の「第6波」では初めて。
県は医療機関の病床逼迫(ひっぱく)を避けるため、昨年夏のデルタ株に由来した「第5波」よりも宿泊療養や自宅療養での支援体制を拡充しているが、感染者の急増に伴い中等症や基礎疾患のある人ら入院治療を必要とする人が増えている。
さらに、13日現在の人口10万人当たりの療養者数が193・71人で、レベル3の指標「30人以上」を大きく上回る。県はまん延防止等重点措置の延長の可否を判断する際に(1)病床使用率(2)重症者用病床使用率(3)人口10万人当たりの療養者数―の3つの指標を重視するとしており、このうち2つでレベル3の水準となっている。
県内では今月に入り、1日当たりの新規感染者数が過去最多の604人となるなど500人前後の高い水準で推移している。県が14日に発表した242人(13日判明分)は1月24日以来、20日ぶりに300人を下回ったものの、第5波で最多だった230人を上回り、高止まりの状況が続いている。
まん延防止等重点措置を巡って政府は、本県より1週間早い13日が期限となっていた東京都など13都県に対し、3月6日まで3週間延長を決定している。こうした状況を踏まえ、本県の延長幅を決定するとみられる。第6波での重点措置対象は36都道府県で、これまでに解除された都道府県はない。