福島県は県内で1232人の新型コロナウイルス感染を確認したと21日、発表した。1日当たりの新規感染者数が初めて1000人を超え、2日連続で過去最多を更新した。確保病床の使用率は45・7%(前日比5・2ポイント増)まで上昇。レベル3(対策強化)の指標「50%以上」の水準に迫り、医療体制逼迫(ひっぱく)の危険性が高まっている。
直近1週間(今月14日~20日)の新規感染者数は4778人で、これまで過去最多だった「第6波」のピークに当たる4月13日時点の4184人を上回った。
20日現在の入院者、宿泊療養施設入所者、自宅療養者らを合わせた全療養者は6013人となり、過去最多だった4月10日時点の5877人を超えた。このうち重症者は1人。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が迫っている状況を踏まえ、県は692床分を確保している「即応病床」を749床に増やす方針。
21日発表の1232人の感染は20日までに判明した。前週の木曜日より724人多く、20日連続で前週の同じ曜日を上回っている。約76%に当たる939人は感染経路が分かっていない。
居住地別では郡山市が221人で最も多く、福島市が217人、いわき市が197人と続いた。上位の中核市3市で600人を超え、全体の約半数を占めた。全59市町村のうち50市町村で感染が確認された。
感染者の急増について、県はオミクロン株の新たな派生型「BA・5」への置き換わりが主な要因とみている。新型コロナ対策本部の担当者は「これまでと比べても非常に厳しい状況」と話した。県は20日に発表した県感染拡大警報に基づき、基本的な感染対策の再点検と徹底などを呼びかけている。