福島県は28日から、新型コロナウイルス感染者に対する健康観察体制を見直す。65歳以上または重症化リスクのある人以外への連絡は初回だけで、その後は体調悪化時に対応する。感染急拡大を受け医療機関や保健所の負担を軽減し、医療提供体制を維持する。
27日の県新型コロナ対策本部員会議で明らかにした。これまでは全感染者に保健所が電話連絡をした上で、毎日、電話や入力システムを通じて健康確認していた。1日当たりの新規感染者が1000人単位で増える一方、オミクロン株は無症状や軽症のケースが多い。県は見直しについて「重症化リスクの高い人への対応に重点を置くため」としている。
重症化リスクは診療・検査を担った医療機関からの届け出を受けて保健所が判断する。妊娠中、透析治療中、複数の基礎疾患がある場合などが考えられ、県は医療機関に対して患者の気がかりな点などを報告するよう改めて促している。
県感染症対策アドバイザーの金光敬二福島医大感染制御学講座教授は「県内では一部の入院調整がすぐに対応できなくなっている。病床使用率は50%未満だが、既に厳しい状況だ」と危機感を示した。