第104回全国高校野球選手権大会第13日は20日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準決勝2試合を行った。3年ぶり17度目の出場で、初めて4強に進んだ福島県代表の聖光学院は仙台育英(宮城)に18―4で敗れた。磐城が準優勝した1971(昭和46)年の第53回大会以来となる福島県勢51年ぶりの決勝進出を逃した。
打線好調の聖光学院は1回から果敢に攻めた。赤堀颯主将(3年)の四球、安田淳平選手(3年)の中安打で1死1、3塁の好機を作ると、三好元気選手(2年)が左翼線に適時打を放ち1点を先制した。
しかし、2回に先発小林剛介投手(3年)がつかまり逆転を許した。代わった主戦佐山未来投手(3年)も打ち込まれ、一挙11点を奪われた。その後は佐山投手、小林聡太朗投手(3年)が粘り、打線の援護を待った。
中堅安田選手、右翼三好選手の俊足を生かした好守や、一塁伊藤遥喜選手(3年)の体を張ったプレーなどが飛び出し、勝利への執念を見せた。6回には1死満塁から狩野泰輝選手(3年)の右安打、伊藤選手の押し出し四球、生田目陽(はる)選手(3年)の中安打で3点を返した。及ばなかったが、選手全員が懸命のプレーを繰り広げた。
聖光学院は今大会、強豪を次々に撃破し、全国を驚かせた。日大三(西東京)との1回戦は4―2で逆転勝ちを収めた。2回戦は横浜を3―2で下し、初めて神奈川県勢に勝利した。3回戦は強打の敦賀気比(福井)を8―1で圧倒した。3校はいずれも甲子園での優勝経験校だった。準々決勝で九州学院(熊本)に10―5で勝利し、初の4強に進んだ。
斎藤智也監督は「負けはしたが、自分たちの野球をやり切ってくれた。選手を誇りに感じる」とねぎらった。
決勝は大会第14日の22日午後2時から行われ、東北勢で初の優勝を目指す仙台育英と下関国際(山口)が対戦する。