22日、相馬市の相馬光陽ソフトボール場で行われた第9回市町村対抗県ソフトボール大会で、前回大会と同カードになった決勝を制した郡山市は「大会初の2連覇」を目標にチーム一丸で大会に挑んだ。劇的なサヨナラ勝ちに、選手らは「全員でつかんだ優勝」と声をそろえた。いわき市は6年ぶりの頂点には届かなかったが、大会を通じて攻守で躍動、決勝も熱戦を繰り広げた。「来年こそ雪辱を果たす」と意気込む。
90分の時間制限のため、最終回となった六回裏2死二塁、1点を追う郡山市の山口悟選手(28)が打ち返したボールが中堅深くへと転がった。二塁の走者が同点のホームを踏み、山口選手が三塁を回ると、ベンチから選手が一斉に飛び出し、ホームに歓喜の輪ができた。劇的なサヨナラランニング本塁打で大会初の2連覇を達成。選手らはそれぞれに涙を流したり、ハイタッチしたりして目標達成を喜んだ。
昨年の初優勝から、どの市町村も成し遂げていない2年連続優勝を目標に掲げ、練習に励んだ。一方で、主力投手や主将がチームを離れるなど不安要素もあった。今大会から主将を務める佐々木康平選手(34)は「まとめきれるか不安があった。目標に向かって協力し、試合を重ねるごとに団結できた」と振り返る。
初戦から3試合はコールド勝ちしたが、序盤に大量得点し一方的に勝利する試合は少なかった。準決勝は3点差、決勝は先制を許し、追う展開だった。佐々木主将は「守り抜き、打ち返すのが郡山のソフトボール。粘り強く戦い抜けた」と話す。決勝では劣勢で最終回2死を迎えても、諦める選手はいなかった。
岡部昭浩監督(55)は「控え選手も一体となりエールを送った。一生懸命によくやってくれた」と歴史を刻んだ選手をねぎらった。
■優勝まであと1死… いわき市2年連続準優勝
いわき市は前大会に続いて郡山市に敗れ、2016(平成28)年の第3回大会以来の優勝を寸前で逃した。好投を続けた主戦星野嵩幸投手(27)は「最後まで粘り切ることができなかった。勝利に導けず申し訳ない」と六回の投球を悔やんだ。
今大会からチームに加わった星野投手らの活躍もあり、準々決勝まで3試合を無失点に抑え、準決勝までの全4試合を2桁得点で勝利するなど大会を通じて攻守がかみ合った。
決勝も2点を先制し、優勝に残り1死まで迫った。星光輝監督(50)は「総合力のあるチーム。力を発揮してくれてどちらが勝ってもおかしくない試合だった。郡山が一枚上手だったが、素晴らしいプレーだった」と選手らの奮闘をたたえた。
しかし、2年連続の準優勝に決して満足はしていない。星監督は「来年こそは優勝旗を奪還したい」と雪辱を誓った。