X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

福島県が新型コロナ患者急増で「医療ひっ迫警報」発出 外来や救急車の適正利用呼びかけ 1月15日まで

2022.12.17 09:30

 福島県は16日、新型コロナウイルス対策本部員会議を開き、県内の医療提供体制の負荷が高まっているとして県独自の医療逼迫(ひっぱく)警報を発出した。救急車や救急外来の適正利用を呼びかけ、医療機関の負荷を減らす。速やかなワクチン接種を促す。期間は来年1月15日までの1カ月間。県内では発熱患者らが押し寄せ、ひっ迫度が増している医療機関がある。年末年始を直前に控え、県民は感染に警戒感を強めている。

 県は12日に県内で過去最多となる3705人の新規感染者を確認したことや、人の移動や会食が増える年末年始を迎えることを考慮し、警報を発出した。ポイントは【表】の通り。重症者の命を守るために救急外来や救急車を適正に利用するよう求めている。大人数、長時間の会食への参加は体調などを踏まえた慎重な判断を呼びかけている。

 15日現在の県内の入院者は431人。このうち重症者は2人で、県の確保病床766床の使用率は56・3%(前日比0・2ポイント減)。会津・南会津、県中では70%に迫るなど厳しい局面にある。

 県内では医療従事者が濃厚接触者や陽性者となる事例も相次いでいる。11月28日~12月4日には過去最多の1738人が新型コロナ関連で休んでおり、第7波前の今年6月に比べると10倍以上に増えている。こうした状況の中、医療機関が救急搬送の受け入れを断念した事案は12月5日から11日までの1週間で142件確認された。第7波のピークだった8月の水準を超えたという。

 年末年始は忘年会や新年会で会食の機会が増え、感染リスクが高まるとして、県は29日から来年1月9月まで、JR福島、郡山、いわきの3駅に臨時の無料検査拠点を開設する方針を決めた。

 内堀雅雄知事は会議で「医療を守ることは自身や大切な人の命と健康を守ることにつながる」と述べ、県民に理解と協力を求めた。