新型コロナウイルス感染の流行「第8波」を受け、救急医療現場は逼迫(ひっぱく)の度を増している。人の移動が増える年末年始はさらなる感染拡大の懸念もある。「これまでで最も苦しい状況になっている」と福島県郡山市の救急医療を担う医師は危機感を募らせる。関係者は救急外来、救急車の適正利用を呼びかけている。
郡山市の総合南東北病院で26日、救急集中治療科の比留間孝広部長が郡山地方広域消防本部の職員と面会し、今後に向けて情報共有や意見交換をした。
比留間部長は、長引く感染拡大で市内では使用できる病床が少ない状況が続いていると報告。「救急患者を受け入れられる病床がなく、いわき、会津若松の両市など、遠方の他地域への搬送を迫られるケースが出ている」と厳しい現状を説明した。
消防本部の職員によると、第7波の流行時と比べ、搬送困難事案は増えている。このうち、新型コロナ関連は15~20%程度だという。職員は「事前に自宅療養できる体制をつくるなどの対応をお願いしたい」と訴えた。