第102回全国高校サッカー選手権福島県大会は28日、Jヴィレッジ(楢葉町・広野町)で準々決勝4試合を行った。尚志、聖光学院、帝京安積、学法石川がベスト4に進出した。
連覇を狙う第1シードの尚志は平工を7―0で圧倒した。第2シードの聖光学院はふたば未来との接戦を1―0で制した。第3シードの帝京安積は郡山を4―0で下した。第4シードの学法石川は後半に得点を重ね福島東を5―1で破った。
準決勝は11月3日に郡山市の西部サッカー場で行う。尚志―学法石川が午前10時30分から、聖光学院―帝京安積は午後1時から実施する。決勝は5日午後0時10分から西部サッカー場で行う。
福島県サッカー協会、県高体連などの主催。
■学法石川5発快勝 主将の金子先制弾 後半勝負でチームに勢い
▽準々決勝
学法石川5-1福島東(0-0、5-1)
▽得点者【学】金子(後3分)OG(後11分)鳥居(後15分)小林(後25分)福島(後43分)【福】柴田(後33分)
【評】後半に畳み掛けた学法石川が福島東に快勝した。学法石川は後半3分、コーナーキックからのボールをFW金子が頭で合わせて先制した。オウンゴールとヘディング3発で得点を重ねた。福島東は4点を追う33分、FW柴田が得点して意地を見せた。
学法石川の主将FW金子晴琉(3年)が後半の開始早々に決めた先制弾が、チームに勢いをもたらした。
前半はシュート数で7-1と圧倒したが、ネットを揺らせなかった。それでもチームに焦りはなかった。チームが強みとする豊富な運動量を武器に、後半勝負の戦略だった。後半3分、DF福島騎士(2年)のコーナーキックをフリーの金子が合わせた。待望の得点に攻撃陣が活気づき、22分間で3点を加えた。
過去2回の選手権県大会では、いずれも優勝した尚志に敗れた。準決勝では、その宿敵と対戦する。「今年の学法石川は違うと見せつけたい」と〝三度目の正直〟を誓った。
▼福島東・柴田悠斗(チーム唯一の得点)劣勢の中、チームの士気を上げたい一心で決めたシュートだった。この仲間と戦えて幸せ。
■帝京安積零封勝ち 上原、勝利を呼ぶヘッド
▽準々決勝
帝京安積4-0郡山(1-0、3-0)
▽得点者【帝】飯塚(前10分)上原(後17分)大河内(後28分)佐藤(後41分)
【評】帝京安積が郡山に零封で勝利した。帝京安積は前半10分にDF飯塚が先制点を挙げると、後半にはMF上原とFW大河内がともに頭で押し込むなどして点差を広げた。郡山は帝京安積の堅い守備に阻まれ、シュートが1本にとどまった。
後半17分にヘディングシュートを決めた帝京安積のMF上原璃久(3年)は「流れを引き寄せる得点だった」と笑顔を見せた。前半を終え1点止まりだったが、チームは上原のシュートを機に2点を加えて勝利を決定づけた。準決勝の相手は昨年11月の新人戦と今年6月の県高体で負けた聖光学院。「必ず決勝に進む」と、因縁の相手を破る覚悟を示した。
▼郡山・小倉翼(チームで唯一のシュートを放つ)少ない好機をものにしようと挑んだ。相手に抑え込まれ、攻撃のリズムをつくれなかった。
■尚志圧巻7ゴール 王者 盤石の試合運び
▽準々決勝
尚志7-0平工(5-0、2-0)
▽得点者【尚】山本3(前4分、前5分、前33分)渡辺(前21分)高田(前26分)桜松2(後15分、後19分)
【評】尚志が平工に大勝。前半、FW山本のハットトリックなどで5点を挙げた。後半も攻撃の勢いは衰えず、FW桜松が2得点。合わせてシュート27本を浴びせた。平工は前半0本だったシュートを後半に4本放ったが、得点できなかった。
準々決勝から登場した第1シードの尚志は危なげない試合運びを見せて圧勝した。FW山本仁(3年)は小学6年生以来のハットトリックを達成。「良い形で初戦を終えられた」と笑顔を見せて喜んだ。前線から中盤に下がってパス回しに関わり、好機に絡んで得点を重ねていった。学法石川との準決勝に向けては「緊張せずに戦う」と闘志をみなぎらせた。
▼平工・石井栄翔(主将としてチームを鼓舞)相手の攻撃力を警戒して守備を意識したが、勢いを止められなかった。最後まで諦めずに戦えた。
■聖光学院逃げ切る 渡辺、貴重な先制ゴール
▽準々決勝
聖光学院1-0ふたば未来(1-0、0-0)
▽得点者【聖】渡辺(前6分)
【評】聖光学院がふたば未来との接戦を制した。聖光学院は前半6分、FW渡辺が自身のシュートのこぼれ球に反応し、右足で先制点を奪った。DF陣が高い集中力で1点を守った。直近2試合で計11得点のふたば未来は攻撃力を発揮できず、初の4強を逃した。
先制点を挙げた聖光学院のFW渡辺陽路(3年)は「序盤に流れをつかめた」と声を弾ませた。前半6分、こぼれ球を見逃さず左サイドから右足で放ったボールはゴールネットを揺らし、チームに勢いをもたらした。昨年から主力として、チーム一の得点力を誇るストライカー。準決勝に向けて「挑戦者の気持ちで臨むだけ」と冷静に語った。
▼ふたば未来・金土啓悟(主将としてチームをけん引)チームの持ち味は出せた。初の4強を目指して1年間練習してきた。かなわず悔しい。