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秋場所で新入幕 白熊 強く愛らしく 古里の応援胸に 若元春西前頭3枚目 若隆景東前頭7枚目

2024.08.27 10:59
シロクマをイメージしたポーズをとる白熊

 福島県須賀川市出身の大相撲力士・白熊(25)=本名・高橋優太=は、初土俵から2年余りでの新入幕となった。力強い相撲を見せる一方、愛嬌(あいきょう)のある風貌でファンを増やしている。26日、茨城県阿見町にある二所ノ関部屋で記者会見し、「もっと上を目指し、古里に恩返ししたい」と誓った。来場所以降、「大波3兄弟」との対戦も想定され、県内の相撲ファンは「さらに福島の相撲を盛り上げてほしい」と期待する。


 「小さい頃から憧れてきた幕内に、自分がいることがうれしい」。自身のしこ名がひときわ大きくなった番付表を手に、喜びをかみしめながら語った。隣に座る二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)を見やり「親方を信じてやってきたことが結果になった」と感謝した。

 「高橋」としてデビュー以来、所要8場所のスピード昇進で関取の座に就いた。十両では3場所連続で勝ち越し。ただ、今年の3月場所でけがもあり白星を伸ばせず、十両昇進後初めて番付を下げた。5月場所でも負け越しを喫した。入門以来、初めて壁にぶつかった。

 それでも、同部屋の力士の活躍や、古里からの応援などを胸に努力を続けた。稽古の量を倍以上にし、「腰割り」などで下半身を強化し、出足を磨いた。7月の名古屋場所を12勝3敗とし、初の十両優勝につなげた。

 今後、相撲界最高峰の舞台で、西前頭3枚目の若元春、東前頭7枚目の若隆景との取組が想定される。22日に福島市で開かれた大相撲夏巡業の福島場所でも3人にはひときわ大きな声援が送られた。「自分も頑張らないといけないという思いになる。(対戦することがあれば)胸を借りる気持ちで相撲を取りたい」と力を込めた。


■地元市民ら活躍願う

 白熊の地元須賀川市の市民らはさらなる躍進を願った。須賀川市の自営業、郡部仁喜さん(73)は「地道に勝ち越し続け、三役、横綱を目指してほしい」と期待を寄せた。白熊の母高橋則子さん(51)は「皆さんの応援に感謝したい。一番一番を大事にしてほしい」と願った。大寺正晃市長は「新たなステージで、ますます活躍してほしい」と激励した。

 県相撲連盟の宮田弘幸会長(70)は「技術とパワーを兼ね備え、今後の活躍も楽しみ。若元春関、若隆景関と賜杯を争うような展開となり福島県の相撲熱を一層盛り上げてほしい」と期待した。


■後輩大の里に対抗心 「いずれ優勝決定戦で」

 新入幕を果たした白熊は同部屋で中学、高校、大学の1学年後輩に当たる、西関脇大の里(24)へ対抗心をにじませ、さらなる飛躍を誓った。

 ―幕内で対戦したい力士は。

 「大の里は後輩だが、すごい力士だ。一日でも早く追い付き、いずれは優勝決定戦で当たりたい」

 ―名古屋場所で十両優勝した原動力は。

 「稽古で親方に胸を貸してもらったことが大きかった。全く押すことができず、『これまで稽古した気でいたんだな、変わらなければいけない』と思い直し、稽古量を増やした。大の里の存在もある」

 ―来場所の意気込みを。

 「まずは勝ち越す。自分の相撲がどれだけ通用するか、挑戦者の気持ちで思い切りぶつかる」


 福島市出身の「大波3兄弟」次男の若元春(30)=本名・大波港、荒汐部屋=は東前頭2枚目から西前頭3枚目に番付を下げた。三男の若隆景(29)=本名・大波渥、同=は東前頭14枚目から同7枚目に上がった。新十両昇進を決めていた大青山(24)=本名・アスハダ、同、中国・内モンゴル自治区出身=は東幕下2枚目から東十両12枚目となった。

 若元春は先場所、3日目から3連敗、8日目から6連敗を喫し、6勝9敗で2場所連続の負け越しとなった。「自分らしい相撲を一から見つめ直して、地元の人たちの応援を力に変えられるように頑張りたい」と巻き返しを誓った。

 若隆景は6場所ぶりの幕内復帰となった先場所で連敗なしと安定した取組が光った。11勝4敗で11場所ぶりの2桁勝利を記録し、健在ぶりを見せた。「しっかり稽古して良い相撲が取れるよう、準備していきたい」と抱負を述べた。