▽準決勝 学法石川0-0帝京安積(0-0、0-0 【延長】0-0、0-0)
(PK4-3)
【評】学法石川がPK戦で帝京安積を下した。学法石川は延長戦を含めシュート11本を放ったが、決め手を欠いた。PK戦ではキッカー4人全員が成功。4―3の場面でGK樋下田が相手5人目のシュートを止め、試合を決めた。帝京安積は守備陣が奮闘したが6本のシュートを得点に結び付けられなかった。
■「気持ちで止めた」 学法石川 GK樋下田読み切る
PK戦にもつれ込む激闘を制した学法石川が、4年ぶり2度目となる優勝に王手をかけた。シュートを止めて勝利を決めたGK樋下田(ひげた)修次(3年)は、右拳を力強く握り、応援席に全力で駆け出した。「PK戦を待ち望んでいた。気持ちで止めた」と胸を張った。
1年時の東北新人高校選手権大会の準決勝で、PK戦で敗れた。チームを勝利に導けなかった責任を感じ、「もうPK戦は絶対に負けない」と誓いを立てた。瞬発力を磨くとともに、データ分析にも精を出した。準決勝を前に帝京安積のPK戦の動画を見て、選手の情報を頭に入れて臨んだ。
相手1人目のシュートは枠を外れ、2~4人目にはゴールネットを揺らされた。味方が4人連続で成功し、止めれば勝利の5巡目。相手の狙いを読んで迷わず右に跳び、両手でボールをはね返した。
決勝は県高体準決勝で1―6と敗れた尚志に挑む。2試合連続で無失点の守護神は「どんなシュートも止めてみせる」と闘志をみなぎらせた。
■帝京安積 6年連続準決勝で涙
帝京安積はPK戦で学法石川に敗れ、6年続けて準決勝で涙をのんだ。主将のDF平野瑛大(3年)は「仲間ともっとサッカーがしたかった。負けてしまい本当に悔しい」と声を震わせた。
朝から降っていた雨でピッチはボールが止まるほど水を含んでいた。巧みなパスワークが武器の帝京安積にとっては悪条件となり、シュート6本と攻め手を欠いた。芝に足を取られ、体力が奪われても集中力は切らさない。延長後半まで約100分間、失点を許さなかった。
県高体を初めて制して全国高校総体に出場したが、その後は苦しんだ。U―18プリンスリーグ東北では6試合で15失点するなど守備に精彩を欠いた。平野をはじめDF陣が何度も話し合い、修正に努めてきた。決勝進出は逃したが、練習の成果は発揮できた。
「自分たちの悔しさを来年晴らしてほしい」。平野は1、2年生にエールを送った。