福島県須賀川市並木町の吉野屋で、5月の端午の節句に向けた県伝統的工芸品「須賀川絵のぼり」の制作が本格化している。
6代目の大野青峯(本名・修司)さん(70)が、疫病や災いを払うとされる「鍾馗(しょうき)」のにらみを利かせた絵柄を丹念に描いている。近年は室内用の額絵や掛け軸の人気が高いという。
須賀川絵のぼりは約250年前、白河藩のお抱え絵師だった銅版画家・亜欧堂田善が鍾馗を布や和紙に描き、庭先に立てたのが起源とされる。子どもの健やかな成長を願う風習は現代まで受け継がれている。作業は4月下旬まで続く。