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ふるさと納税(6月29日)

2025.06.29 09:04

 有機米に最高級和牛、取れたてのカニ、入手困難な銘酒…。改良メダカやエゾシカ猟体験なるものまで登場した。全国の自治体が、ふるさと納税の返礼品に知恵を絞る▼須賀川市の稲田学園の6年生25人は今月から、地域ならではの返礼品を授業で考案している。販路構築や起業を支援する郡山市の会社社長から教えを受ける。納税の仕組みや地元の素晴らしさ、ネットでのPR法を学び、アイデアをぶつけ合っている▼市の財政が厳しさを増している中で、ふるさと納税が貴重な収入源となっている現状を知った。児童は実入りを増やす手伝いがしたいと思い立つ。自ら考えた返礼品案を、2月の市議会見学に合わせて持参した。「児童手書きのレシピ付き果物ボックス」「母親、父親、子ども用3種類入り福袋」「農家応援体験ツアー」「須賀川限定ウルトラマンショーチケット」…。発想の豊かさに担当者は驚き、実現の可能性を見いだした▼7月まで5回の授業で中身を練り、市と協力して返礼品入りを目指す。地域の暮らしや産業を知る機会にもなっている。納税額が増えれば一石二鳥。子どもたちが受け取る返礼品は「古里」だろう。その魅力は味わい尽くせない。<2025・6・29>