大和ハウスのグループ会社「大和ライフネクスト」が福島県双葉町の中野地区復興産業拠点に建設する大型ホテル「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA(フタタビ フタバ フクシマ)」は、2026(令和8)年初夏の開業を目指して工事が進められている。観光客と住民らを結ぶ新たな拠点として、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を後押しする。
ホテル名に入れた「ふたたび」には、自然や産業の「再生」、街並みや人との「再会」、この地への「再訪」という三つの「再(ふたたび)」の願いが込められている。当初は来年3月の開業を予定していた。
建設地は東日本大震災・原子力災害伝承館北側の敷地約2・3ヘクタール。5階建て延べ床面積約7000平方メートルで、客室数は98室。ホープツーリズムや国際会議での活用を見込んだ約300人収容の会議室を備え、双葉郡で最大級の規模を誇る。
庭には円形の共用棟を設け、約1500冊の書籍をそろえる。震災前に町内にあった図書館の代わりを担い、日中はカフェ、週末はバーとしても利用できる。周囲に水が張られ、水上に浮かんでいるような幻想的な施設となる。周辺に双葉町の自然を再生したビオトープも整備する。
復興産業拠点に立地する企業とも連携し、地域の活性化を図る。大和ライフネクストはホテル近くに従業員用の自社寮(39戸)、移住者らを対象とした外部賃貸用(39戸)を整備し、住環境を整える。
詳細はホテルのホームページ(https://www.futatabi-futaba-fukushima.com/)
■「発展の起点に」 総支配人が来社
大和ライフネクストFUTATABI開業準備課の練生川裕一総支配人は開業に向けた概要説明で10日、福島民報社を訪れた。「浜通りを訪れるお客さまにとって、出入り口となる役割を果たしたい。双葉にたくさんの『ふたたび』をもたらし、地域発展の起点となる場所をつくれるよう尽力する」と述べた。