田村署は、福島県田村市船引町で発生した民家火災で、現場屋内にいた男性を助け出したとして、同県三春町の中野土木に勤務する渡辺勇貴さん(35)、熊田俊輔さん(41)=共に福島県郡山市=の2人に署長感謝状を贈った。
火災は16日昼ごろ、市内船引町船引で発生。木造平屋の民家を全焼した。渡辺さんと熊田さんらは現場近くで道路工事の作業に当たっていたが、火災報知器のような音が鳴り響いているに気付いた。作業トラックで民家まで駆けつけ、玄関で座りこんでいる60歳男性を発見。渡辺さんが屋外に男性を助け出すとともに、熊田さんが119番に通報するなどした。さらに渡辺さんは、逃げ遅れた人がいるかもしれないと、再び屋内に戻り、声を掛けるなどした。
さらに炎が強くなってくると、2人は男性を安全な場所に避難させるとともに、近隣の住宅に火災の発生を知らせるなどし、地域住民の安全も守った。
感謝状贈呈式は、三春町の田村署で行われた。角田亮一署長が2人感謝状を手渡し、「勇気ある行動と適切な判断で人命を守り、地域の安全に寄与していただき、感謝します」とねぎらった。
熊田さんは「火災が発生した時間は、普段は昼食の時間だが、この日はたまたま休憩時間をずらしていたので気付いた」と振り返り、渡辺さんは「夢中で飛び込んだ。後で考えると怖くなったが、男性が助かって良かった」と話した。同署の遠藤弘子刑事生活安全課長が立ち合った。
(県南版)