▽準決勝 聖光学院5-4学法石川
【評】聖光が学石に競り勝った。三回に2番朝長の右中間への二塁打で先制。四、六回にも加点した。4―4の九回2死三塁、4番藤崎の左中間への適時二塁打で試合を決めた。学石は六回に打者9人で4点を奪い一時逆転したが、及ばなかった。
聖光学院は粘って学法石川に勝利した。斎藤智也監督は「戦力は向こう(学法石川)が上」とみていた。勝敗を分けたのは、接戦を想定した準備だった。
3―0で迎えた六回、先発の松本叶我(のあ)が4四死球と乱れ、追い付かれた。救援した主戦紺野耀大(ようた)は逆転打を許したが、その後は二塁を踏ませず、流れを呼び込んだ。
聖光学院ナインは準々決勝までの相手投手を見て、得意としているカットボールを攻略する必要性を感じた。準決勝までの間、夏に引退した3年生の協力も得て、カットボールを打ち込み、タイミングをつかんだ。
努力が実り、16安打を放ったが、試合は想定した通りの接戦となった。4―4の九回2死三塁の好機で4番藤崎翔勇斗(かいと)に打席が回った。「高めに浮いたボールは球種問わず振り抜く」。打席に入った藤崎は外角高めに入った変化球を捉えた。打球は左中間に落ち、走者が生還。勝ち越しにつなげた。
9残塁だった。好機を生かし切れない課題が残った。藤崎は「勝利に向けて準備したい」と表情を引き締めた。
■「聖光に勝ちたかった」 一時勝ち越し打の内藤 学石3位決定戦へ意気込む
学法石川は聖光学院に惜敗し、夏に続き決勝進出を逃した。六回に一時勝ち越し打を放った内藤柊吾は「聖光に勝ちたかった。チームに貢献できたが、まだまだ力不足を感じた」とうつむいた。
二、五回の打席は遊ゴロや見逃し三振に抑え込まれていた。六回2死二、三塁の勝ち越し機。「次はどんな球にも食らい付く」と気を引き締めた。内角低めに落ちてきたカーブを捉えると打球は左前へ。1点リードを奪った。
聖光学院との準決勝が決まった後、変化球を得意とする相手投手対策に取り組んだ。1日400球程度打ち込み、変化球への対応力を高めた。
決勝進出は逃したが、目標としてきた東北大会出場へのチャンスはまだ残る。3位決定戦の28日は、25日にプロ志望届を提出した大栄利哉らが会場を訪れる。「先輩に負けていられない。チームにプラスになる打撃をしたい」と意気込んだ。