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7月発電へ復旧急ぐ いわきの常磐共火とクリーンコールパワー

クリーンコールパワー研究所の実証機(後方)の早期復旧を誓う吉葉さん(左)と狩野さん

 夏場の電力不足が懸念される中、震災の被害で操業停止中の福島県いわき市の常磐共同火力勿来発電所とクリーンコールパワー研究所は7月の発電再開を目指して復旧作業を進めている。運転が再開されれば、当面、合わせて145万キロワット(東北電力分60万キロワット、東京電力分85万キロワット)が確保できる見通し。両社とも「電力会社の意地を見せたい。必ず間に合わせる」と懸命だ。
 いわき市佐糠町の海岸沿いにある常磐共同火力勿来発電所では29日、台風2号による大雨が心配される中、屋内での復旧作業が急ピッチで進められていた。津波で浸水した機器類を一つ一つ点検しながら修理する作業員。現場には緊張感が漂う。
 同発電所は3月11日の震災当日、4基ある発電機のうち稼働していた7、9号機の2基が非常停止した。外部への有害物質排出などは無かった。構内に押し寄せた津波の高さは2メートル以上。発電機があるタービン建屋など主要設備は無事だったが、電気系統や給排水などの周辺施設が壊滅的被害を受けた。
 がれきが押し寄せ、あちこちに乗用車が転がる構内。「どうすればいいのか」と不安を感じる職員を、小林剛所長(59)は「私たちの使命は電気をつくり、東北と東京に送ることだ。『さすがは常磐共同火力』と言わせようじゃないか」と鼓舞した。
 現在、関連会社も含め1日約千人の作業員が復旧に当たっている。7月上旬に9号機(60万キロワット)、中旬に8号機(同)を再開させるのが目標だ。小林所長は「4月の余震による被害も大きかったが、意地でも必ず7月までには間に合わせてみせる。それがわれわれの使命だ」と語気を強める。


■「古里のため一日でも早く」復興スタッフ

 常磐共同火力勿来発電所構内の実証機で世界最高効率の石炭ガス化複合発電(IGCC)の技術開発を進めているクリーンコールパワー研究所(本社・いわき市岩間町)も津波で大打撃を受けたが、7月中旬の再稼働に全力を挙げている。
 実証機本体は大きな損傷がなかったが、1階部分のモーター類は全て水没、事務所棟1階も津波で大破した。現在、同社に出資する全国の電力会社など計11法人から技術陣、作業員合わせて約2百人が復旧作業に当たっている。再開すれば25万キロワットが供給できる。
 技術陣の復興スタッフで東北電力出身の狩野勝広さん(39)=猪苗代町生まれ=は「古里のために一日でも早く運転再開できるよう努める」と口元を引き締め、電力中央研究所出身の吉葉史彦さん(42)も「地域の復興の灯がともせるよう頑張る」と話す。
 渡辺勉社長(58)は「私たち以上に困難な状況にある人たちの苦労を決して忘れずに、一丸で復旧に取り組む」と誓っている。

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