東日本大震災アーカイブ

看護師、保健師1000人派遣 東大大学院教授ら県内に

 福島市出身の大橋靖雄東京大大学院医学系研究科教授(福島高卒)が代表を務める被災住民支援プロジェクト「きぼうときずな」は今後1年間で被災者支援のために看護師と保健師延べ約1000人を県内に派遣する。大橋教授は9日、福島市で記者会見し、プロジェクトの概要を明らかにした。

 聖路加看護大の協力で同大の教員、学生、卒業生の看護師らが参画。県内行政機関や福島医大などが取り組む被災者への医療・看護支援活動に対し、派遣していく。今月からスタートさせ、当面はいわき市の被災地区の家庭訪問、相馬市の住民の心のケア、郡山市の避難所の医療・看護支援に当たる方針。

 プロジェクトは大橋教授が理事長を務めるNPO日本臨床研究支援ユニットが中心になって運営する。記者会見には大橋教授のほか、聖路加看護大の山田雅子看護実践開発研究センター長、女優の石井苗子東京大医学部客員研究員が臨んだ。大橋教授は「救急医療の需要は一段落し、今後の支援活動の主体は看護師と保健師になる。一過性に終わらず、長期的に支援したい」と語った。