福島第一原発事故により放射性物質で汚染された可能性のある災害廃棄物について、経済産業省原子力安全・保安院と環境省は9日、警戒区域と計画的避難区域を除く福島県浜通りと中通りの仮置き場で放射性物質濃度と空間線量の調査を始めた。データを基に災害廃棄物の処分方法を検討する。
放射性物質で汚染されたがれきは処分に関する法律や基準がなく、各地の仮置き場に集められたままとなっている。調査はデータ収集とともに、周辺住民の不安を解消する狙いもある。保安院は12カ所でがれきの表面の線量を測り、一部を持ち帰って放射性物質濃度と汚染状況を調べる。環境省は122カ所で、がれきの山の周囲1メートル地点の空間線量を測る。
初日は、保安院の依頼を受けた原子力安全基盤機構がいわき市の小名浜臨海工業団地北緑地グラウンドなど5カ所、環境省が郡山市の河内埋立処分場など2カ所で実施した。いわき市では可燃物やコンクリートの線量を測り、それぞれサンプルを採取した。線量は毎時0.2マイクロシーベルト程度だった。郡山市で測った空間線量は0.7マイクロシーベルト程度となった。
環境省は専門家による検討会で調査結果を解析・評価し、保安院は放射性物質の濃度と空間線量の相関関係を調べる。
(カテゴリー:福島第一原発事故)