県北地方の各市町が今夏のプール使用を中止する中、川俣町教委は24日、独自の水質調査でプールの水の安全性が確認されたと発表した。今後保護者に説明し、使用への理解を求める。プールは近く排水し、清掃する。
町教委は4月に東京海洋大に調査を依頼、4月29日に採取した町内の福田小プールの水一キロから放射性セシウム35ベクレルが検出された。浪江町との境にある水田のたまり水からは1キロ当たりそれぞれ100~150ベクレルの範囲で放射性ヨウ素と放射性セシウムが検出された。飲料水の摂取制限の基準は水1キロ当たりヨウ素300ベクレル、セシウム200ベクレルとなっており、いずれも基準を下回ったという。
神田紀教育長は「プールの使用基準を示すよう国と県に求めているが、回答はない。調査結果では飲料水の摂取制限基準をクリアしている」と指摘。4月7日以降は同町の水道水や井戸水から放射性物質が検出されていないことから「きちんと清掃すれば、プールに放射性物質が入る可能性は限りなく低い。保護者の理解が得られればプールの授業を行いたい」としている。理解が得られなかった場合は、川俣南小の屋内プールを持ち回りで活用するという。
(カテゴリー:福島第一原発事故)