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最多440世帯752人一時帰宅 警戒区域3町

雨の中での一時帰宅を終え、中継基地に戻る大熊町民=田村市古道体育館

 東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域への一時帰宅は26日、福島県大熊、双葉、浪江各町で行われた。3町合わせてこれまでで最多の440世帯752人が参加し、自宅から貴重品などを持ち帰った。

■大熊町

 大熊町は下野上地区の144世帯233人が参加した。田村市古道、広野町中央両体育館を中継地点にバス12台で町に入った。

 横浜市の市営住宅に家族4人で避難している農業片倉荘次さん(62)は家に隣接するナシ畑を写真に収めた。例年ならば摘果で忙しい時期だが、今年は授粉さえかなわなかった。「実のない木を眺めて悔しくなった。30年以上ナシを育ててきてこんな目に遭うとは夢にも思わなかった」と落胆した。

 一時立ち入り区域内の空間放射線量は最大毎時34・45マイクロシーベルトで、個人の積算放射線量は3~27マイクロシーベルトだった。除染の必要な人や物はなかった。

 ■双葉町

 双葉町は長塚、前田、新山地区などの90世帯156人が参加した。田村市古道体育館を中継地点にバス8台で町に向かった。

 山形県天童市から帰宅した三瓶昭男さん(62)は「このままでは本当に住めなくなってしまう」と嘆いた。3月12日以来で戻った自宅は屋根瓦の一部が地震で壊れ、作業中にも降り続く雨水が部屋に入ってきた。「仮に帰れても、とてもすぐには暮らせない」と失望していた。

 立ち入り区域内の空間放射線量は最大毎時29・05マイクロシーベルト、個人の積算放射線量は3~23マイクロシーベルトだった。除染の必要な人や物はなかった。

■浪江町

 浪江町は藤橋、北幾世橋、幾世橋、請戸、南棚塩、両竹、中浜、小野田地区の206世帯363人が、中継基地の南相馬市馬事公苑からバス20台に分乗し古里に戻った。

 同町小野田の清水寺住職、林心澄さん(44)は避難先の相馬市から妻と参加した。本堂は余震で窓が外れるなどしていたが、本尊は無事に立っていた。すぐに駆け付け花を供え、読経したという。「檀家(だんか)の皆さんも参加しており、再会できて良かった。1日も早く戻りたい」と話していた。

 この日は、防護服を着用せず一時帰宅したのは4人だった。

 一時立ち入り区域内の空間放射線量は最大毎時21・3マイクロシーベルト。個人の積算放射線量は0~17マイクロシーベルトだった。除染が必要な人や物はなかった。男女3人が体調不良を訴えたが中継基地の救護所で休み回復した。50代の男性が割れたコップで手を切り、手当てを受けた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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