7月1日午前8時ごろ、東京電力福島第一原発事故の計画的避難区域に設定されている福島県川俣町山木屋の空き地で、50代の女性が倒れているのを通報を受けた消防署員が発見した。女性は全身に焼けた痕があり、すでに死亡していた。福島署は自殺の可能性があるとみて調べている。
近隣住民らによると、女性は空き地近くに自宅があり計画的避難区域に指定された後に、町外に避難したが、一時的に帰宅していたという。住民は女性が「元の生活をしたい。避難したくないと悩んでいた様子だった」と話している。
捜査関係者や消防関係者によると、女性は1日朝、自宅の草刈りをしていたという。
県内では原発事故後の生活を苦にしたとみられる自殺が相次いでいる。3月には野菜の出荷停止が決まった翌日に県中部の農業男性(64)が自殺。4月には全域が計画的避難区域となる前の飯舘村で家族と離散した102歳の男性が、6月には相馬市に住む50代の男性酪農家がそれぞれ命を絶っていた。
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