東日本大震災アーカイブ

避難勧奨対象 113世帯413人 伊達市の4地区 最大で3.9マイクロシーベルト

勧奨地点指定の通知が届き電話で娘と話す伊達市月舘町の髙橋さん夫妻

 特定避難勧奨地点に指定された伊達市4地区の113世帯の人数は413人に上ることが1日、分かった。また指定となった地点の放射線量は最大で毎時3・9マイクロシーベルトで、最小で同1・4マイクロシーベルトだった。同日、伊達市役所で開かれた市災害対策本部で示された。
 指定された地点や世帯の内訳は市内霊山町の下小国地区は49地点・54世帯の203人。地区の全世帯数に占める比率は47・0%、地区の全人口に占める比率は51・9%。上小国地区は30地点・32世帯の107人。世帯比率47・1%、人口比率で45・1%だった。
 石田地区は19地点・21世帯の82人。世帯比率42・0%、人口比率51・3%。月舘町相葭(あいよし)地区は6地点・6世帯の21人で世帯比率60・0%、人口比率は53・8%だった。
 仁志田昇司市長は「当初90地点ほどの予想だったが、市の要望も反映された。しかし、指定されなかった住宅もあり、支援はこれで終わりではない。残った市民の対応や除染・健康管理などに力を入れていく」とした。
 伊達市は1日、特定避難勧奨地点に指定された113世帯に指定の通知を発送した。
 通知が届いたという市内霊山町下小国の自営業菅野政貴さん(42)は「高かったので予想はしていた。梁川に家を借りるつもり。子どもたちは転校したくないと言っているので通わせる」と話した。送迎のために妻(39)は仕事を辞めたという。
 市内霊山町下小国の会社員石上貞治さん(33)は「既に妻と長女は妻の実家の秋田県に避難させている。自分は残るが、通知されない世帯に(通知を)譲りたいくらい」と話した。市内月舘町相葭の農業高橋幸男さん(81)、豊さん(82)夫妻にも通知が届いた。「嫁いだ娘が心配して電話をくれるが、古里を離れたくない。説明会を開くというので内容を確認したい」と悩んでいる。

カテゴリー:福島第一原発事故