国土交通省磐城国道事務所は6日、福島県相馬市などで整備を進める自動車専用道路の115号国道・阿武隈東道路(延長10.7キロ)の建設現場を報道陣などに公開した。東日本大震災以降、物流強化につながる「地域復興を支える道路」、高度医療圏の拡大など「命をつなぐ道路」として注目度が上がっており、同事務所は「平成28年度内の供用開始を目指し全力を挙げたい」としている。
建設工事は震災の影響で2カ月間、中断を余儀なくされたが5月上旬に再開した。震災被害は切り土斜面のひび割れなど軽微だったという。工事の進捗(しんちょく)率(事業費ベース)は約五割に達し、松ケ房トンネル(宮城県丸森町、延長1.3キロ)は16日にも貫通する見込みとなった。工事に伴う残土は災害復旧工事や常磐自動車道整備などに有効活用している。
阿武隈東道路は国の直轄権限代行事業で、総事業費は約370億円。相馬市の山上地区と東玉野地区の山間部を結び、トンネル4本、橋8本を設ける。伊達市霊山町の霊山道路(延長12.0キロ)と共に東北中央自動車道と一体的な整備が図られる見通し。
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