東日本大震災アーカイブ

「脱原発」8日知事に提言 県議会

 福島県議会の東日本大震災復旧復興対策特別委員会は6日、佐藤雄平知事、県復興ビジョン検討委員会に続いて「脱原発」の考え方を打ち出し、復興ビジョンの基本理念に「原子力政策からの脱却」を盛り込むよう県に提言することを決めた。その上で、主要施策に放射線の除染・低減対策、健康管理対策、原発事故の損害賠償を掲げるなど、復興ビジョンに対する意見をまとめた。今後、具体的な主要施策を整理した上で8日に佐藤憲保議長に報告、佐藤知事に提言する。
 委員会では、各会派の「脱原発」の考え方が一致したのを受け、原子力に代わる新たなエネルギー政策を明確に位置付ける必要性を指摘する意見が出された。このため、ビジョンの基本理念は「これまでの原子力政策から脱却し、再生可能エネルギーの推進など新たなエネルギー政策を推進し、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を第一の柱とした。さらに、「ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興」「生命を大切にし、誇りあるふるさと再生・創造的復興の実現」「原子力災害の克服」の3項目を掲げた。
 主要施策は各会派の意見に基づき、放射線の除染・低減対策などの他、復興特区の設置、地域自立型エネルギー社会の構築を盛り込むよう求める。また、県が策定する復興計画を「議決事項とすることを検討すべき」とした。
 特別委は正副議長を除く全議員で構成している。「脱原発」の意見がまとまったことについて、加藤貞夫委員長は「原子力政策に頼らず、新たな政策に向かおうとする各会派の考えが集約された」と語った。
 県企画調整部の野崎洋一部長は「議会の提言を重く受け止めた上で、ビジョンを策定する」と述べた。

カテゴリー:福島第一原発事故