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肉牛餌セシウム 郡山、喜多方、相馬に拡大 新たに84頭 稲わら屋外保管

 福島県は16日、新たに郡山、喜多方、相馬の3市の肉用牛農家計5戸が放射性セシウムを含む稲わらを牛に与えていたと発表した。既に84頭が県内をはじめ、宮城、山形など1都4県に出荷されたことも判明、県は関係自治体に流通先などの調査を依頼した。放射性物質が付着した稲わらを餌に与えて出荷された肉牛は計143頭となり、本県畜産の信頼を揺るがす事態は深刻さを増している。

 県によると、放射性セシウムを含む餌が与えられた肉牛は郡山市の2戸から計21頭、喜多方市の2戸から計61頭、相馬市の1戸から2頭が、3月28日から今月13日にかけて出荷された。搬入先は郡山市の県食肉流通センター19頭と東京都53頭、埼玉県川口市8頭、山形県2頭、仙台市2頭。出荷後に業者から同センターに返却された喜多方市出荷の牛肉から県の検査で1キロ当たり48ベクレルのセシウムが検出された。

 このため、県は厚生労働省を通じ、関係自治体に流通状況の確認と、牛肉の残品があれば放射性物質検査を行うよう依頼した。

 県の検査では、郡山市の農家の1戸が餌に使っていた稲わらから、1キロ当たり50万ベクレルの放射性セシウムが検出された。水分量を補正して計算すると国が定めた暫定許容値の378倍程度に相当するという。この農家で飼われている牛の尿からは、1キロ当たり270ベクレルの放射性セシウムが検出された。

 この他、相馬市の農家の稲わらからは1キロ当たり12万3000ベクレル、喜多方市で3万9000ベクレルをそれぞれ検出。喜多方市のもう一方の農家は全て餌として与えたため検査していないが、原発事故後に収納した稲わらを餌にしており、県は放射性セシウムが含まれていたとみている。

 稲わらは、各農家が昨年秋に刈り取って屋外に保管。東京電力福島第一原発事故後に、それぞれ水田から集めた。相馬市の農家は宮城県内の業者から購入した稲わらもあり、1万7600ベクレルが検出された。

 放射性セシウムを含む稲わらの処分について国は方針を示していない。保管庫などに仮置きするしかなく、県は国に対し、早急な対応を求める。

■農家「国県の通知知らず」

 県は、国から原発事故以降に屋外に保管されている飼料を与えないよう通知を受け、農林事務所や関係団体を通じて畜産農家に周知していた。しかし、今回の5戸全てが「通知を知らなかった」と説明している。

 16日に記者会見した鈴木義仁県農林水産部長は「指導が行き届いていなかったと反省している」と述べた。

 政府の原子力災害対策本部が県に県内の肉用牛の出荷停止を指示する方針を固めたことについて、鈴木部長は「県内で全頭検査を求める声が高まっている。物理的な制約はあるが、国の動きを踏まえ、安全性確保の取り組みを検討する」との考えを示した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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