高濃度の放射性セシウムを含む稲わらが肉牛に与えられていた問題で、新たに111戸の肉牛繁殖農家が汚染された稲わらを使い、このうち8戸から肉牛13頭が出荷されていたことが県の6日までの調査で分かった。
県は7月18日から今月6日にかけて警戒、計画的避難、緊急時避難準備各区域以外の肉牛繁殖農家と酪農家2923戸を立ち入り調査した。このうち繁殖農家111戸は汚染された稲わらを餌または敷わらとして使った。汚染が疑われる肉牛の出荷は二本松、古殿両市町の各1戸から3頭ずつ、石川町の1戸から2頭、田村市の2戸、須賀川、平田、鮫川3市村の各1戸から1頭ずつ。本県を含む7県に出荷された。
稲わらは各農家が東京電力福島第一原発事故以降に屋外から収納した。県の検査で、二本松市の農家の稲わらから最大で1キロ当たり8万3000ベクレルの放射性セシウムが検出された。
県によると、農家8戸の中には、汚染が疑われる稲わらだと認識しながら使ったケースがあった。県は「周知を徹底できなかった」として、飼養管理の指導を強化する。また、関係自治体に食肉の放射性セシウムが暫定基準値を超えた場合、事業者に自主回収を指示するよう求めている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)