東日本大震災アーカイブ

震災から5カ月 仮設住宅1万2801戸完成 県目標来月末まで1万60000戸

■入居は6割

 県は4日現在で1万3793戸の応急仮設住宅の着工を決定している。このうち1万2801戸が完成した。ただ、入居したのは7562戸で、入居率は6割となっている。

 県建築住宅課は「入居者は増えている一方、完成戸数も増加しているため、入居率は伸びていない。完成戸数が安定すれば入居率は高まるはず」と分析している。市町村から要請されている戸数の合計は1万5575戸で、県は9月末までに1万6千戸を完成させる目標だ。

 応急仮設住宅に比べてアパートなどの民間借り上げ住宅は、立地場所や間取りを自由に選ぶことができるため依然として人気が高い。県は9月末までに1万8千戸という目標を設定したが、4日現在で1万9452戸に上り、約2カ月前倒しで目標戸数を上回った。6月30日現在が1万5571戸だったため、約1カ月間で約4千戸増えたことになる。

■不具合の改善を 雨水流入、サッシ動作不良...

 応急仮設住宅の完成戸数が増えるにつれ、住宅の不具合に関する住民からの訴えも相次いでいる。

 県によると、7月末現在、県に寄せられた訴えの件数は663件。6月末までの件数は223件だったため、一カ月間で約3倍に増えた。

 主な内容は「住宅の建物本体と玄関に取り付けられた風よけ室のすき間から雨水が入ってくる」「窓などのサッシがスムーズに動かない」など。県は改善に向け、可能な限り対応しているという。