県は東日本大震災による地震や津波で被害を受けた伝統芸能の用具について、保存会などが新調したり修理したりする際に補助することを検討する。衣装や太鼓、笛、獅子頭などを対象に想定している。震災と東京電力福島第一原発事故で住民避難が続く中、地域の絆を再生するため伝統文化保存を後押しする。
有識者でつくる、文化振興による"ふくしま"元気創造懇談会が15日、県に補助検討の必要性を盛り込んだ検討結果報告書を提出した。
県は今後、補助要綱や補助率といった詳細な制度内容を検討する。文化財の保護活動や文化振興による地域づくりなどへの助成事業をしている県文化振興基金との連携も模索する。
祭りなどの伝統芸能は平成21、22年の県調査で766件に上った。県によると、相馬宇多郷の神楽(相馬)相馬福田の十二神楽(新地)北萱浜の天狗舞(南相馬)などの用具が被害に遭い、衣装や幕、笛が津波などで消失したという。
県文化振興課は「地域の絆再生に祭りなどの伝統文化の力を活用していきたい」としている。
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