東日本大震災アーカイブ

津波で殉職団員に敬意 浪江町消防団の出初め式

浪江町消防団の出初め式で殉職者の霊前に献花する紺野団長(手前)ら

 浪江町消防団の出初め式は8日、原発事故により役場機能を移す二本松市の浪江中(旧針道小)体育館で行われ、津波で犠牲になった団員の霊前に町再生の誓いを立てた。
 県内外に避難している512人の団員のうち180人が集まった。馬場有町長の観閲を受けた後、昨年3月11日に住民の避難誘導の際、津波にのまれた3人の殉職者と、家族を助けようとして亡くなった団員1人に黙とうをささげた。
 馬場町長は「津波や原発事故に対し、最後まで住民を守ろうと尽くした皆さんに敬意を表する」と涙声であいさつ。来賓の吉田数博町議会議長、武義弘県相双地方振興局長、吉田栄光県議らも崇高な消防精神をたたえた。
 紺野栄重団長があいさつし「町の復旧・復興に向け、今は各家庭を守りながら消防団の使命を忘れずに、再び古里に戻って活動しよう」と呼び掛けた。出席者の代表が殉職団員の霊前に献花した。