東日本大震災アーカイブ

もち米から基準超セシウム 県、公表せず 川俣の旧飯坂

 川俣町旧飯坂村の農家のもち米から、食品衛生法の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える520ベクレルの放射性セシウムが検出されたが、県が公表していなかったことが13日、分かった。町独自の簡易検査で450ベクレルを超え、県が詳細に調べた結果、基準値超えが判明した。しかし、県は出荷・販売目的の農家を対象とする県の緊急調査には該当しないとして公表しなかった。
 町などによると、この農家は自家飯米のみを生産。町独自の検査を5日に受けた。もち米は5袋(30キロ入り)で、流通はしていない。町原子力災害対策本部は13日に結果を公表した。
 農林水産省は同日夜の時点で「県から正式な連絡はない」と説明。同省は出荷制限については(1)自家飯米は食品衛生法の適用外(2)旧飯坂村は県の緊急調査対象地域で、他の農家の結果を見る必要がある(3)旧飯坂村は県の調査に伴い出荷見合わせ中-を理由に「すぐに出荷制限を指示する段階ではない」とした。