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【除染技術問題】国直轄の工程表早く 避難区域、帰還見通せず

 東京電力福島第一原発事故の避難区域見直しが3月末に迫る双葉郡内などの除染は国直轄で行われることになっている。21日来県した細野豪志環境相は、避難区域で国の実施する除染の工程表を年度内に決定するとした。しかし、双葉郡内の町村からは「もっと早く工程表が示されなければ帰還の見通しも計画も立てることができない」との批判が吹き出している。

■難航必至
 「避難区域の見直しで帰還が認められても、除染の進んでいない地域に住民を戻すことはできない」。大熊町の渡辺利綱町長は18日、野田佳彦首相に警戒区域などの除染作業の工程表を早急に示すよう必死に訴えた。
 環境省は工程表に除染する具体的な地域、除染の優先順位や方法、放射線量低減の目標などを盛り込む見通しだ。ただ、避難区域内で国が行っている除染モデル実証事業の成果を踏まえ、高線量地域の除染技術に関する知見を集約するには膨大な作業が待ち構えている。県除染対策課は「難航は必死。工程表の公表は遅れる可能性がある」と指摘する。環境相の号令だけが先走っているような状態だ。
 大熊町企画調整課の担当者は「除染の工程表を早急に示さなければ、避難区域見直しは絵に描いた餅に終わる。現状では住民が帰還できるかどうかの議論すらできない」。事態は深刻だ。

■信頼できない
 双葉町は国の除染モデル実証事業について、「技術確立に至っていない。効果が不透明」として町内での実施を認めていない。今後、他町村の状況を見ながら実施するかどうか判断する方針で、町内での作業の見通しは立っていない。
 他の町村で実施されているモデル実証事業は、公共施設などにポイントを絞って実施されている。こうした国の方針に対し、町と町議会内では「町全体を除染の対象にしなければ線量低下など期待できない」とする意見が強いという。
 住民の帰還を念頭に、井戸川克隆町長は「現段階で除染は信頼できるものではない。(除染を)やるなら完璧に仕上げるべき。国からこれまでのデータも示されていない」と不満を口にした。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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