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帰還後の賠償継続を検討 原賠審が県内で初開催

 東京電力福島第一原発事故の賠償範囲を検討する文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は27日、県内で初めて郡山市のホテルハマツで開かれた。佐藤雄平知事と避難区域の首長は、今春の区域見直しに伴い住民が地元に帰還した場合も賠償を継続するよう要請。精神的損害への賠償額の増額なども求めた。審査会側は帰還後の賠償継続をはじめ、賠償金の一括支払いなどを今後、重点的に検討する方針を示した。
 佐藤知事は全県的な賠償の実現を求める一方、避難区域見直しに伴う新たな賠償指針に避難者の生活再建に向けた十分な賠償の継続を盛り込むよう要請。大熊町の渡辺利綱町長も「長期間、地元に帰れない人の苦痛は大きい」と述べ、生活支援の強化を求めた。
 審査会の能見善久会長は避難区域解除後に帰還した住民への賠償について「個別の状況があり、難しい部分もあるが、しっかりと検討したい」と継続を協議する意向を表明した。生活資金確保に向けては「月ごとではなく、一括して(賠償金を)受け取れるような仕組みも重要」との認識を示した。
 南相馬市の桜井勝延市長は、精神的損害が日がたつにつれて小さくなるとした現在の指針の問題点を挙げ「避難期間が長くなるほど(精神的損害は)大きくなる」と指摘。葛尾村の松本允秀村長は家屋や土地など財物的価値の減少分について「建物、農地などは汚染により価値がゼロに等しくなった」と早急に賠償の算定基準を明示するよう要求した。能見会長は、いずれも重要な課題として検討する考えを示した。
 広野町の山田基星町長らは賠償を継続する期間の明示を要請。これについては、審査会内で妥当な期間を議論していることを説明した。
 出席者からは、所有者が避難したため管理できず、傷みが進んだ家屋への賠償など、東電は中間指針に明記されていない損害には対応していない-などとする批判も相次いだ。これを受け審査会は今後、東電への聞き取りなどの調査を進める方針。

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