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第二の古里で農業を 福島の工場に就職 再開へ道模索

佐藤さん(左)の食品加工場で働く三浦さん(右)と高橋さん(中央)

■浪江から二本松に避難 三浦功二さん(63) 高橋敏正さん(63)
 東京電力福島第一原発事故によって計画的避難区域となった浪江町津島地区から避難し、二本松市の仮設住宅で生活する林業三浦功二さん(63)と畜産業高橋敏正さん(63)は現在、福島市松川町の食品加工場で働きながら、避難先での農業の再開の道を模索している。

 食品加工場は、農業も営む同市松川町の佐藤清一さん(62)が経営している。佐藤さんは昨年8月から、県の緊急雇用制度を活用して浜通りの避難者などを受け入れてきた。
 2人の古里・浪江町津島地区は原発から北西に約25キロ。現在でも空間線量が毎時約30マイクロシーベルトを超える場所もあるという。事故以前、三浦さんは林業の傍ら花や野菜を作り、高橋さんも牛の肥育と花の栽培で生計を立てていた。
 避難後、「早く仕事を見つけなくては」と考えていた2人は県などに通って職を探し、現在の職場を見つけた。冬場は豆腐、みそ、餅などの製造、加工が主だが、昨年秋は米や大豆の収穫にも携わった。
 緊急雇用制度の期限は3月末まで。延長になる見込みもあるが、2人はいずれ福島市や二本松市などで農業を始めたいと考えている。三浦さんは「放射線量を考えると、そう簡単に津島に帰ることはできない。今の場所を第二の古里として野菜作りなどをしたい」と話し、高橋さんも「避難先で土地を借り、以前育てていたリンドウを栽培したい」と今後を見据える。
 震災から約11カ月、2人は古里への思いを胸にしまい、避難先での新たな道に踏み出そうとしている。

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