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今を生きる 「学校給食」心つなぐ 笑顔で食事の写真きっかけ 約束果たし初対面

鈴木君と出会い笑顔を見せる森園さん(右)

■小高小4年 鈴木歩夢君 鹿児島聾学校栄養教諭 森園玲奈さん

 鹿児島県立鹿児島聾(ろう)学校の栄養教諭森園玲奈さん(30)は10日、南相馬市鹿島区の鹿島小で授業を行う小高小を訪れ、給食の様子を紹介した写真を通じて知り合った4年生、鈴木歩夢君(10)と初めて対面した。森園さんは鈴木君を励まし、2人は心を通わせた。
 南相馬市は昨年4月22日から7月22日の間、市が1人200円の予算で炊き出し給食を行った。8月下旬の二学期から通常給食に戻った。市教委学校教育課主任栄養士の鈴木美智代さんは全国学校給食協会が発行する専門誌「月刊学校給食」の11月号に市内の給食の様子を紹介した記事を寄せた。
 記事と一緒に、市すぐにやります課広報広聴係の菅野修さんが9月に撮影した写真が載った。トウモロコシを笑顔で食べる鈴木君の姿が写されていた。
 被災地を思いながらも無力感を抱いていた森園さんは鈴木君の笑顔を見て涙を流したという。「笑顔をありがとう」という思いを込め、「月刊学校給食」の12月号に鈴木君のイラストを掲載した。
 12月、鈴木君と母親の優美子さんから感謝の思いがつづられた手紙が届いた。文末には鈴木君の字で「こんど、ぼくのいる4年1組にきてください。待っています」と書かれていた。
 約束を果たすため森園さんは鹿児島から来県し、小高小で鈴木君と給食を食べた。初めは緊張した様子だった鈴木君は次第に明るい表情に。
 森園さんは「困難な状況にいる子どもたちの未来のため、大人はどんな姿を見せることができるだろうと考え続けてきた。1つの約束を果たすことが、今の私にできることだった」と出会いに感謝した。

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