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仲間集結店 あす再開 津波 避難生活乗り越え... 川俣で仮設営業 前店舗は警戒区域 古里・小高離れ

仮設店舗オープンに向けて意気込む佐藤さん(前列中央)と妻カヨ子さん(後列右)、浜通りから避難しているスタッフら

■セブンーイレブン経営 佐藤孝一さん(51) カヨ子さん(48)
 川俣町鶴沢の114号国道沿いに、セブン-イレブン「川俣町仮設店舗店」が17日、オープンする。警戒区域の南相馬市小高区と浪江町権現堂でセブン-イレブンを経営していた佐藤孝一さん(51)、妻カヨ子さん(48)はじめスタッフが、津波被害や避難生活の苦難を乗り越え結集した。新天地での再出発を前に胸が高鳴る。

 昨年10月、古里の小高区を離れて福島市で避難生活をしていた佐藤さんにセブン-イレブン・ジャパンから仮設店舗の打診があった。「いつ地元で店を再開できるか分からないが、何とか店を再開したい」。佐藤さんは話に飛び付き、すぐに各地に散り散りとなっていた従業員に声を掛けた。
 仮設店舗で店長を務める渡辺美則さん(50)は津波で小高区の自宅が全壊した。妻と娘とともに宇都宮市に避難していたが「店が再開するなら場所がどこであれ、オーナーに協力する」と決めていた。佐藤さんの話を聞き、すぐに川俣町でアパートを探した。渡辺さんは「仲間と一緒に仕事ができることが何よりうれしい」と話す。
 小高区出身の鳴井一彦さん(37)も開店に合わせ原町区から川俣町に転居した。広野町出身の門馬和己さん(50)は避難先の郡山市から通勤する。浪江町の別の店舗勤務だった森山洋康さん(35)も副店長となり、スタッフ計14人が店を運営する。
 仮設店舗は1年ごとに、本店舗とするか仮設店舗として契約更新するか選択できる。
 佐藤さんが経営していた小高区と浪江町の店舗の空間放射線量はいずれも毎時0.3マイクロシーベルト程度。「国の避難区域見直しなどに合わせ店舗を再開できるのでは」という希望は持ち続けているが、今は川俣町の店がにぎわうよう全力を注ぐという。
 店頭には、避難者が思いを自由に書き込めるノートを用意した。「つらいことはいくらでもある。そんな時、ノートが少しでも心の支えになれば。浜通りの避難者、そして川俣の皆さんから愛されるよう、スタッフ全員、笑顔を絶やさない店にしよう」。そう誓い合っている。

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