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今を生きる 電気と 元気と 勇気を 喜多方で復活ステージ力強く

勇ましい演奏を披露する「鼓響会」

■東北電力太鼓部「鼓響会」座長・小形清和さん
 高まる鼓動がばちを伝い、勇壮なリズムを刻んだ。19日に喜多方市で開かれた郷土芸能フェスティバル「喜多方の四季祭」。ゲスト出演した東北電力太鼓部「鼓響会」の座長小形清和さん(47)は「気合が入ったステージを見せられた」と充実感をにじませた。
 「鼓響会」は平成8年3月に当時いわき市内の事業所に勤務する社員有志で結成した。事業所がある各県のイベントに参加するなど年間約20回の演奏を無料で行い、地域を盛り上げてきた。
 東日本大震災により、メンバーは沿岸部などの電気復旧作業に追われ、活動は自粛となった。山形県の新庄営業所に所属する小形さんも岩手、宮城両県に出張し、電柱の修復や仮設住宅への電柱設置に奔走した。津波で相馬市磯部地区の実家と母和子さん=当時(72)=を失っていた。苦しかったが「これを乗り越えれば何でもできる」と歯を食いしばって働いた。
 昨年10月、「喜多方の四季祭」への参加を打診された。「被災者の応援隊になりたい」と参加を決めた。12月、久しぶりに全員が顔を合わせた。「みんなで太鼓をたたくと心が落ち着いた」。少ない練習時間の中で感覚を思い出した。
 19日は宮城、山形両県などから15人が集結した。20分間でオリジナル曲の「ほだしの群れ」「石の海」「熱風」を披露した。「ほだしの群れ」は若者が協力しながら荒波に立ち向かう様子をイメージした曲。招待された市内の避難者を励ましたかった。
 「仕事以外にも被災者を助けられることがある」。発表を終え、16年前に抱いた初心を思い出した。事業所がある全都県での演奏が今の目標だ。「被災者に電気と元気と勇気を届けたい」

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