東日本大震災

「3.11大震災・断面」アーカイブ

  • Check

【原町の小中4校】自校復帰...負担続く 通学、除染に課題 「母校で卒業」実現へ

荷物を手に元の学校に登校する石神一小の児童

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴い仮設校舎などで授業をしていた南相馬市原町区の旧緊急時避難準備区域の小中学校4校は27日、自校での授業を再開し、児童や生徒に笑顔が広がった。これで警戒区域と津波で被災した鹿島区の1校以外の市内全ての学校が元の校舎に戻ったが、除染が十分に進まない中、4校では保護者の送り迎えが依然多い。原町区外に避難したままの児童・生徒は長時間の通学を強いられるなど負担は解消されていない。

■笑顔で登校
 自校に復帰した4校は石神一小、石神二小、石神中、原町三中。校舎が復旧し、「卒業式は母校で」などという保護者らの要望を受けての対応だ。
 石神一小では児童が鍵盤ハーモニカや体操着などを抱えて登校した。「自分の学校で卒業できるのがうれしい」と6年の佐藤志穂さん(12)。1年の斉藤悠太君(7つ)は初めて母校に登校し、「みんなと一緒にたくさん遊びたい」と目を輝かせた。
 原町三中は市内の鹿島中に間借りしている間、学校行事はほとんど中止になり、部活動もできなかったが国内外から多くの支援が寄せられた。全校集会で半谷淳校長は「国内外からの支援を忘れず、頑張ることで応えてほしい」と話した。「ただいま」と言って校舎に入った生徒会長の村井龍真君(3年)は「母校で元気に明るく学校生活を送ることが支援者への恩返しになる。みんなで何倍にもして返したい」と語った。

■保護者が送迎
 ただ、本来の学校に戻っても放射線への心配は尽きない。学校の除染は進んでも、通学路や自宅周辺などは遅れている。原町区西部の石神地区は複数の特定避難勧奨地点があるなど放射線量が比較的高く、地区内の多くの家庭で保護者の送り迎えが続く。
 市内鹿島区や相馬市などに避難したままの児童や生徒は、自校に通うために新たにバス利用になったり、相馬市から長時間、バス通学を余儀なくされる。中には一時間半程度かかるケースもあるという。学校関係者は「送り迎えやバス通学がいつまで続くか分からない。子どもや保護者が疲れてしまわないか心配」と表情を曇らせる。
 市は避難区域を除く約4万6000戸の生活圏などを対象に除染の準備を進めている。生活圏は2年後の完了を目指しているが、除去した表土などの仮置き場の設置が進まないことなどから準備作業は遅れている。
 自校に復帰した4校の児童・生徒数は石神一小が78人、石神二小が197人、石神中が204人、原町三中が101人で震災前と比べてほぼ半分に減っている。保護者の1人は「面的な除染が進まなければ、以前のような児童生徒数には決して戻らない」と訴えた。

カテゴリー:3.11大震災・断面

「3.11大震災・断面」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧