東日本大震災アーカイブ

問診票の回収低調 県民健康管理調査 当時の記憶薄れる

 県は東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を踏まえ、県民の健康を長期にわたって見守る「県民健康管理調査」を実施している。

 基本調査として、昨年6月から東日本大震災が発生した昨年3月11日以降の行動記録に関する問診票の配布、回収を進めているが、低調だ。先行調査地区の1月31日現在の回収率は川俣町山木屋地区56・3%、浪江町53・6%、飯舘村46・3%。仕事などで忙しくて記入や提出を忘れているケースや、行動記録を問診票に記入する際、当時の記憶があいまいなため、書くのがおっくうになっている人が多いとみられる。

 先行調査対象の浪江、飯舘両町村と川俣町山木屋地区の住民合わせて1万468人に関し、県は2月21日、原発事故後四カ月間に受けた外部被ばく線量の推計値を発表した。原発関係など放射線業務従事経験者を除く9747人の57・8%に当たる5636人が、国が通常時の年間被ばく線量の上限とする1ミリシーベルトを下回った。一方で女性2人が避難の目安となる20ミリシーベルトを超えた。

 調査のもう一つの柱が子どもの甲状腺検査だ。対象は原発事故発生当時に0~18歳の子ども約36万人。昨年10月にスタートし、26年3月までに全県で順次、超音波検査を実施している。福島医大によると、現段階で放射線の影響は考えにくいが、現状を把握して将来的な健康管理に結び付ける。

 先行して実施した浪江、飯舘両町村、川俣町山木屋地区対象の検査では、悪性が疑われ、直ちに再検査が必要な「C」判定を受けた子どもはいなかった。ある程度大きな良性のしこりなどが見つかった「B」判定の26人は3月以降に詳細な二次検査をする。

カテゴリー:震災から1年