東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を取り除く除染で大量に出る汚染土。その保管場所として国は中間貯蔵施設の建設を予定しているが、完成まで各市町村は「仮置き場」をそれぞれ独自に確保しなければならない。しかし、設置に対し住民からは反対意見が多く、自治体は理解を得るのに苦心している。仮置き場を確保できないため本格的な除染に踏み切れない自治体もあり、除染に格差が生じている。
福島市は比較的放射線量の高い大波地区に仮置き場を確保し、地域全体で「面的」な除染を開始した。平成24年度は住宅2万5千戸を終える計画だが、仮置き場は大波地区にしかなく、住民の理解を得ながら増やしていく考えだ。
警戒区域と計画的避難区域の11市町村は国が直接除染するが、年間の追加被ばく線量が一ミリシーベルト以上の地域を抱え、汚染状況重点調査地域に指定された41市町村は国の財政支援を受け、それぞれ除染しなければならない。このうち、仮置き場を1カ所以上設置できたのは約4分の1にとどまっており、容量もまだ十分でない。他の市町村では難航している。
(カテゴリー:震災から1年)